「遠い空の向こうに」の感想あらすじ
【キャスト】
ジェイクギレンホール、クリスクーパー、クリスオーウェン、ローラダーン、ナタリーカナディ他
【あらすじ】
1957年10月アメリカの炭鉱の田舎町で、ソ連から打ち上げられた人類初の人口衛星スプートニクの空の軌跡に魅せられていた高校生ホーマーヒッカムがいた。
彼を中心に「ロケットボーイズ」を結成、自分でロケットを打ち上げようという夢を抱き、走り出す。
父との対立、学校の反対、同級生には揶揄され、挫折を味わいながらも夢と希望を捨てず、
多くの人に支えられながら、そのうち町中を巻き込み、そして空を目指す。
「遠い空の向こうに」のみどころ
・本気でぶつかり合ったからこそたどり着いた親子の和解、歩み寄り
・絶望的な貧しさから這い出すためには、夢こそが必要
本気でぶつかり合ったからこそたどり着いた親子の和解、歩み寄り
ジョンヒッカムは炭鉱のリーダーであり、町での信頼も厚い人物。
ホーマーはそんな父親に憧れ、尊敬もしていますが、当の父親は炭鉱と兄のアメリカンフットボールの話ばかり…。
ホーマーのことを気にはかけているものの、いつも否定的な言葉がけになってしまう。
息子のロケットを打ち上げたいという想いは、現実主義の父親にとっては夢物語にしか映らなかったのかもしれません。
しかし、ホーマーは熱意と努力でそれを成し遂げ、父親の信頼、愛情も勝ち取るのです。
時には本気でぶつかり合い、お互いが目指すものに対して理解が生まれたからこそ、和解、歩み寄りが出来たのでしょう。
絶望的な貧しさから這い出すためには、夢こそが必要
炭鉱の町、田舎町の悲哀、貧しさから抜け出すすべのない若者のやるせなさがストーリーの端々ににじみ出ています。
どうせだめだ…という自らのあきらめ。
そんなことをしても無駄だ…という周囲のあきらめ。
長い間、この街にはそんな空気が蔓延していたのでしょう。
炭鉱エレベーターで落ちていく(堕ちていく)ホーマーとロケットが飛んでいく(上がっていく)シーンの対比。
ホーマーの心に巡るものを思うと…本当に絶望に近い悲しみを味わいます。
おそらくこうして諦めた人々が数多くいたことでしょう。
そして私たちもこうして諦めたことがいくつもあったのではないでしょうか?
そこから這い出すためには、夢こそが必要。
夢こそが道を切り開くための原動力になり、そして周りをも動かす。
現代は様々な境遇の家庭、お子さんがいて、そこには今までと違い目にははっきり見えない形で貧困や悲しみが多く潜んでいる時代です。
こんな時代だからこそ、この映画のように、そこから這い出すためには、夢こそが必要。
そんなメッセージが届いてほしいと思います。
「遠い空の向こうに」のキャストの魅力
ジェイクギレンホール
主人公であるホーマーヒッカムを演じています。
「遠い空の向こうに」は彼の初主演作品であり、高い評価を受けました。
父親は映画監督、母親は脚本家という映画一家の中で、彼の俳優としてのキャリアはスタート。
この境遇は名優ロバートダウニーJrとも通じますね。
「遠い空の向こうに」では父親との確執、愛されたい、認めてもらいたいという苦悩の中でもがく高校生を熱演。
あらゆる逆境に負けない強い意志を身に着けて、父親と並ぶまでになる成長過程を見せてくれます。
クリスクーパー
ホーマーの父親、ジョンヒッカムを演じています。
炭鉱のリーダーらしい、真っすぐで、口は悪いが愛情にあふれた人物を好演しています。
この父親像は一昔前の日本の父親像(昭和のお父さん?)にも重なり、思わず自身の父親の言動を思い出す方も多いのではないでしょうか?
ナタリーカナディ
ホーマーの母親、エルシーヒッカムを演じています。
非常に慈愛に満ち、包み込むような愛情を持った母親です。
家族一人一人をひとしく愛し、理解し、受け止めてくれる母親。
そしてホーマーにとっては父親との橋渡し役でもあります。