『サイド・エフェクト』のあらすじ
【キャスト】
ルーニー・マーラ、ジュード・ロウ、チャニング・テイタム、キャサリン・ゼダ=ジョーンズ
【あらすじ】
金融関係の仕事で成功を収めた夫と順風満帆な日々を過ごしていたエミリーは、突如夫が逮捕され精神が不安定になってしまう。
夫が釈放された日に、彼女は自殺未遂をし、病院で精神科医バンクスと出会う。
バンクスは、精神科医の受診の履歴から以前エミリーを担当していたシーバート医師に連絡をとり、相談をするようになる。
新しい薬のモニターをすれば自分にも高額な報酬が入るということもあり、エミリーに新しい薬の処方を始めるバンクス。
すべてはうまくいっているはずだったある日、エミリーが無意識のうちに夫を刺し殺してしまう。
エミリーは薬のせいで記憶がないと主張。裁判でも「殺人」か「薬の副作用の被害者」かが焦点となる。悲劇の裏側の真実とは・・・
『サイド・エフェクト』のみどころ
・最後まで気が抜けない演出にハラハラさせられます。
・伏線が絶妙でラストも頷けます。
最後まで気が抜けない演出にハラハラさせられます。
ストレス社会に生きる人が多い現代において実際にありえそうな題材で、製薬会社と株、カネの関係の闇深さが垣間見える作品です。
何度見返しても面白い逆転劇が癖になります。
終始不穏な音楽がよりこの映画をミステリアスに仕上げていて、最後まで何が真実なのか?を考えながら見ることができ、飽きることなく楽しめる映画です。
エミリーはもともとサイコパスとして生まれたのか、それとも愛した夫の逮捕が一人の人格さえ変えてしまったのか、どちらの目線で見るかで、エミリーの結末に同情するか変わってくると思います。
彼女の中に少しでも善意があったのか・・ラストのエミリーの言葉と表情にモヤモヤが残る演出もサスペンス好きにはたまりません。
伏線が絶妙でラストも頷けます。
人のためを思い、回復に向かってほしいと切に願うバンクスの好意を利用しただけでなく、新薬を無責任に投薬したとして医師としての人生を追い詰められ、さらに肉体関係があったかのような偽装をして家族を崩壊させるなど、お金のためならなんでもできてしまうエミリーとシーバート医師の団結力?愛?に恐ろしさも覚えます。
バンクスを利用した理由が、たまたまだったというのがまたゾッとしました。
たまたま仕事を全うしようとするバンクスが当たってしまったからこそ、エミリーたちの計画通り新薬を処方してもらうことになり、彼女たちの望む結末へ傾きましたが、逆に言えば仕事に家庭に何事にも一生懸命だったバンクスだからこそ、家族や同僚に見捨てられても真実を暴くことができたのだと思います。
最後はスカっとする終わり方で、劇中の伏線もすべて回収してくれるので後味はスッキリです。
『サイド・エフェクト』のキャストの魅力
ジュード・ロウ
ジュード・ロウは普段はチャラ男キャラが多いイメージでしたが、この映画では家族を大切にしたい気持ちはあるものの、結局お金に目がくらみ家庭を顧みず仕事に没頭する精神科医を演じています。
家族に見捨てられても真実を絶対に暴く、という信念だけで動く迫力のある演技が見どころです。
仕事に挑戦的な妻を支えたり、息子との時間も作ろうとしたり、とても素敵な旦那さんなのに、家族思いだからこそハイリスクハイリターンの仕事を請け負ってしまったのだろうなと思いました。
正直者が馬鹿を見るとはまさにこのことで、だからこそ、真実を暴き、エミリーやシーバート医師を社会的に制裁し、家族を取り戻したラストは圧巻です。
チャニング・テイタム
チャニング・テイタムが個人的にすごく好きで、あまりこの映画では主要人物ではないですが、野心的で成り上がったのにインサイダー取引で逮捕されて結局無職になってしまう残念な夫役がどこかハマっていました。
(釈放後もまた胡散臭いビジネスに乗ろうとしているところがまた残念です。)
どこか憎めない役柄がチャニング・テイタムのハマり役なのかもしれませんね。